<リモート センシング>
夜間可視衛星画像によるサンマ・スルメイカ漁船分布の解析
−海洋版GISを用いた漁場予測へのアプローチ−
清藤 秀理 ・Bambang Semedi ・齋藤 誠一 (北海道大学水産学部)
【目的】
日本近海において漁獲されるサンマ・スルメイカは我が国の水産資源の中でも食糧供給の位置づけは高く、両該当種ともTAC(漁獲可能量)制度の選定種に指定されている。本研究では、サンマ・スルメイカ漁業を支援する一手段として広域的かつ連続的なデータを取得できる衛星リモートセンシングを組み込んだ海洋版地理情報システムの利用を考え、サンマ・スルメイカ漁業の操業に直結した有効な情報システムの確立を目指し、その基盤となる漁場形成機構の解明を目的とする。
【使用データ】
サンマ・スルメイカ漁業の特徴の一つは、夜間に集魚灯を使用することである。この集魚灯による光が米国軍事気象衛星DMSP(Defense Meteorological Satellite Program)搭載のOLS(Operational Linescan System)センサによる夜間可視衛星画像で確認することができる。本研究ではサンマ・スルメイカ漁場を把握するためにこの夜間可視衛星画像データの日単位データを用いる。解析期間はサンマが1994年11月及び1995年10月、スルメイカが1998年である。解析海域は各該当種の漁場に関する過去の研究を考慮に入れて、サンマは(34°35′N、140°E)−(44°52′N、147°35′E)、スルメイカは(32°N、124°E)−(46°N、143°E)とした。
【方法】
(1)まず、夜間可視衛星画像データから対象海域を切り出し、漁船による光分布を抽出するために2値化処理を施した。本研究では漁船の光分布が消えない値としてしきい値を30とした。
(2)月平均データを作成するために(1)で作成された日単位データを重ね合わせた。また、漁船分布と海面温度分布との関係を調べるためにOLSの夜間可視衛星画像と熱赤外バンドデータ(TIR)とを重ね合わせた。
【結果】
−サンマ漁船分布−
1994年11月4日夜間可視衛星画像データと熱赤外データとを重ね合わせた例を図1に示す。赤色が漁船による光分布を示している。漁船は主に16℃〜17℃の潮境に分布していることが確認できる。また、漁船の分布は潮境の冷水側に分布していることも確認できた。
−スルメイカ漁船分布−
1998年10月8日〜10月14日までの8日間合成画像を図2に示す。黄色が漁船による光分布を示している。光分布は主に対馬海峡内、韓半島沿岸域、日本海北部海域及び北海道南部沿岸域に確認できる。
【今後の課題】
人工衛星データのように空間的に広がりを持った特徴量の時間変動を記述するような空間時系列モデルは非常に少なく、現在、光分布の空間時系列モデルを考案中である。
将来的には光分布からおおよそのサンマ・スルメイカ資源量を推定することを考えている。
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<リモート センシング>

図1 1994年11月8日における夜間可視衛星画像と熱赤外画像との合成図
<リモート センシング>

図2 1998年10月8日〜14日までの夜間可視衛星画像の合成図
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